資金繰りを考えよう

注文住宅で家を建てるならば、
まずは、土地を取得する必要があります。

つまり、先に土地の売買契約が必要となるのです。
建売やマンションを購入する場合は建物が完成しているため、
融資、住宅ローン契約、引き渡しまでを一挙に行うことが可能となりますが、
土地の売買契約の場合は、先に土地代を決済しなければなりません。
一般的に資金の必要とされる時期を挙げてみましょう。

●土地費用の手付金
●土地契約時の決済金
●住宅工事着手金(その他、建物中間金など)
●住宅完成・引き渡し 残金の決算

通常、住宅ローンが組めるのは、住宅完成・引き渡し時からです。
上に挙げたように、自己費用が必要なタイミングは複数回あり、
事前に必要になる費用は総額の3/4程度とも言われています。

住宅ローン締結前の資金は、預貯金などで用意するのが理想ですが、
実際は難しいことがほとんどでしょう。
その場合は「つなぎ融資」とよばれる先行融資を利用します。

自己資金がない場合には、その度に借入れを行うのは手間がかかり
ローンの返済計画も立てにくくなりますよね。

一般的なつなぎ融資は、契約後、必要なタイミングで3~4回
融資を受けることができます。

便利なつなぎ融資ですが、これは、いわゆる無担保ローンなので、
住宅ローンと比較して金利が高いのも特徴です。

また、借入れのための事務手数料や印紙代金は別途発生します。
事務手数料は金融機関ごとに異なりますが、相場としては10万程度となっているため、
割高であるのは否めません。

また、つなぎ融資を扱っていない金融機関もありますので、注意が必要です。

また、ありがちなパターンとしては、土地購入の際に自己資金を大幅に投入してしまったため
中間金や住宅ローンの諸費用が足りなくなる、というケースです。
こういったことを避けるためには、契約の前段階からどのタイミングで、どれほどのお金が必要になるのかを、
見込んでおきましょう。

予算の全体像を常に意識することが大切です。

素晴らしい家を建てたはよいが、ローンの返済が滞っては意味がありません。
このようなことに陥らないための考え方のポイントをご紹介しましょう。

●自己資金をいくら使い、いくら手元に残しておくか
子どもの学費や車の購入代金など、住宅購入後に必要な費用は最初から別にしておき、
手をつけないようにしておきます。

●借入れ上限はいくらなのか
毎月返済額と返済年数から、いくらまでなら借りられるのかを
把握しておく必要があります。

●つなぎ融資と住宅ローン借入れの比率を考える
上記のことを踏まえ、必要な額をどう支出するのか考えます。
つなぎ融資と住宅ローンの配分を決めるということになります。
全体のバランスを見ながら計画を立てていきましょう。

注文住宅の場合だと、土地を購入後、住宅の引き渡しまである程度の期間が見込まれるため、
当初の見込より金利が上昇するリスクもあります。
ですから、全体的に余裕を持った資金繰りが望ましいと思われます。

間取りや内装の自由度が高く、自分なりのマイホームを建てることができる注文住宅。
資金繰りには注意が必要ですが、間取りの設計や打ち合わせに集中できるよう、
早めの段階から資金繰り計画を立てておきましょう。

 

 

建売住宅VS注文住宅

注文住宅とよく比較されるのが建売住宅。
個人の要望に合わせて、一からつくられる注文住宅とは違い、
建売住宅は、完成済みまたは完成予定の住宅(建物)と土地を一緒に販売している住宅です。
建売住宅では、直接見てから購入することが出来るのが利点です。
費用について勘違いをしている人が多いのが、建売のほうが安いのではないかという疑問点。
ですが、やり方次第で同じくらいの費用でも注文住宅を建てる事は可能です。

総費用については、注文住宅でいうと、仕様をこだわるとキリはありません。
ですが、会社などに予算を伝えればその範囲内で調整も可能です。
一方、建売住宅は、一度に多くの住宅を分譲するケースだと、部材を規格化しコストを抑えることが可能です。

建売住宅が人気を集める理由というと、建築会社が土地をまとめて購入し一気に家を建てていくことで、
一般的な注文住宅より価格相場が安いことが挙げられます。
また、街の景観を考慮に入れながら計画的に建てられるため、ある程度利便性の高い土地に建てられることも利点です。

建売住宅が安い理由を一つ挙げましょう。
建売住宅は、一軒につき1~2名での施工が一般的で、土日も休まず早朝から夜遅くまで働く職人さんも多いです。

早さが第一、品質は二の次、三の次とされる世界。
そんな状況下では、高品質な家など建てられません。

家は定期的なメンテナンスが必要になります。
購入価格が安くても、メンテナンスのスパンが短く、そのたびにお金がかかってしまっては本末転倒です。

建売住宅を購入する場合は、第三者機関による検査を通し、
品質、安全性のチェックをしておくことをおすすめします。

注文住宅の場合は、自由度の高さに魅力を感じるかどうかが重要な判断基準となります。
すでに土地を取得している方や、外観・内装、素材・設備のこだわりを実現したいと思っている方。
時間をかけて家をさがしてもかまわないという方。

注文住宅では、住宅会社によって色々と違ってきますので、複数社を比較していく事から始めるのが良いでしょう。

着工後のプランの見直し

注文住宅のプランは、着工する前に打ち合わせを十分に重ね、決定していきます。
ですが、工事が進んでいき、現場に足を運んでいる際に様々なことに気づきが出てくるかと思います。
机上のプランと、実際目の当たりにする建築途中の家とは、自分の中のイメージとは
違うものだからです。
現場をみると必ずと言っていいほど、修正したい箇所が出てくるのです。

打ち合わせだけで、完璧なプランを立てようとすることを、まずは手放していきましょう。

着工後であっても、プランは常に見直すつもりでいてください。
では、着工後の仕様変更は可能なのでしょうか?
中には、難色を示す住宅会社もありますが、工事中に仕様変更をするのは当たり前のことです。
むしろ、変更のない現場のほうが少ないと思われます。
これから何十年にわたって住む家ですから、後で後悔することがないように、積極的に修正していきましょう。

ただし、修正したい箇所が完成してしまってからでは、取り壊しや、材料の追加発注が必要になるため、気になった箇所はできるだけ早めに担当者に伝えましょう。
できるようなら、その場で電話をかけてください。
なぜならば、現場の段取りで下地材などが先行して準備されるからです。

ご参考までに、これまでに多かった変更事例を挙げてみます。

●窓の高さ、大きさの調整(採光の問題)
●床、壁材の材質(一部屋だけ材質を変えることが多い)
●棚、カウンターの追加、高さ調整
●コンセント、電気スイッチ、エアコンの位置
●収納の増設、または縮小
●ドアの向き、開き戸から引き戸などへの変更
●照明やキッチンなどの設備関係
●キッチン、脱衣場のタイルの色

着工前の打ち合わせが行われているため、比較的、軽微な変更ばかりになっています。
一番多いのは、高さや位置関係の変更です。ご家族で身長差がある場合は、特に注意しましょう。
また、仕様変更するにはいくつか注意点があります。
例えば部屋を増設するなど、居住空間を増やしたり、部屋の大きさを変えたりといった大きな変更は、構造上無理な場合もあります。
また、確認申請をとらなければならないので、工事がストップしたり、工期が延びる可能性もあります。

仕様変更には、お金のかからないものもありますが、多額の追加費用が必要なものもあります。
担当者と相談をして、必ず見積もり書をだしてもらってから変更を決定してください。

たまに施主側がその場の思い付きで、現場の大工だけに「ここを直してほしい」と、直接お願いをすることがあるようです。
その場で直してもらうことができても、後で会社側から費用を追加請求される場合があります。

予定外の出費を避けるためには、見積書や変更後の図面、証明書などを必ず作成してもらうことをお勧めします。
詳細な金額を把握してから、仕様変更するかどうかを決定してください。

施工会社にしっかり確認をとり、お金のトラブルを避けていきましょう。

相続税の減額とは

家を建て、将来的には子どもに財産として与えたい。
家という大きな買い物をした後に、その家を子どもに資産として譲りたいと思うのは自然なことだと思います。

ですが、そんな親心など関係なく、土地を譲り受ける際には「相続税」が課税されます。
購入時からそんなことを考えるのは早いかもしれませんが、
いつ何時その時期が来るかはわからないものです。

ここでは、相続税の基本的な性質と、
相続税が大幅に減額される「小規模宅地の特例」についてお話しておきます。

相続税は「財産価格(財産がいくらの価値をもつのか)×税率」で計算されます。
税率は財産価格が高いほど高くなり、最高税率は55%です。
税率をかなり高く感じるかもしれませんが、財産価格を算出する際は、
多くの控除や非課税枠があるので、課税されない人も多いのが現状です。

例えば相続税の基礎控除額は、
【3,000万円+600万円×法定相続人の数】となります。
仮に相続人が妻と子ども2人であれば
4,800万円は基礎控除額として、相続財産から引くことができます。
その他、保険金や死亡退職金も条件を満たせば一定額が非課税になります。

相続税は遺産の全てに課税させるわけではありません。
ですが、土地の財産評価は高くなりがちです。

住んでいる家や土地に高額な相続税が発生する時はどんな時なのでしょうか。
例えば土地の所有者が死亡したのち、多額の相続税がかかるとなると、
最悪の場合、土地を売却して相続税を支払わなければなりません。
そうすると、遺された家族の生活は不安定になってしまいます。

このような相続税のために、売却を迫られたら何の意味もないですよね。

実は、同居している家族が住む場合には、相続税の評価が80%減額される特例があるのです。
これならば、仮に親のどちらかが小さい子どもを残して死亡した場合にも、
残された片親と子どもの住まいを守りやすくなります。

小規模宅地の特例は、高額な税負担で自宅を手放さなければならない事態を考え、
配偶者など残された家族が自宅に住み続けられるよう、配慮してつくられた制度です。

マイホーム購入者には嬉しい特例ではありますが、いくつかの条件を満たす必要があります。

ここではマイホームに関する条件をご紹介します。
条件は、土地の取得者の属性によって異なります。

●取得者が「配偶者」の場合
・・・配偶者であれば、無条件に特例を受けることができる。

●取得者が「被相続人(故人)と同居していた子ども」の場合
・・・同居の子どもであれば、相続開始の時から申告期限までその家に居住していることが条件。
※申告後は売却や引っ越しも自由に可能

●取得者が「被相続人と同居していない子ども」の場合
・・・同居していない子どもの場合は、以下のような条件があります。

①日本に住んでいること(住んでいない場合は日本国籍であれば可)

②取得者である子どもが未婚であること

③他に同居している相続人がいないこと

家は将来にむかって形を変えていくことが多いです。
購入後、リフォームや改築、二世帯住宅への立て替えなど様々な選択をしていく可能性があります。
小規模宅地の特例を知っておくことにより、将来役立つことにつながるかもしれません。

建築条件付き土地とは?

建築条件付き土地とは、次のような2つの条件が付いている土地のことです。

●住宅の建築を、指定された建築会社に依頼することが条件となっている土地。
●土地の売買契約を結んだ後、期限内(だいたいは「3か月以内」)に建築請負契約を結ぶことが条件となっている土地。

建築条件付き土地は多くの場合は、不動産会社・ハウスメーカー・建築会社が売主となり、
自社などで建築を請け負うことを前提として土地を販売します。
ですから、このような条件が付くことになる訳です。

そして、決められた期限内に建築請負契約に至らなかった場合、土地の売買契約は白紙撤回されます。
手付金など買主が支払った金額は全額返還されるのが普通です。
建売(たてうり)住宅に対し、建築条件付き土地では土地を売ってから建物を建てるため、「売建(うりたて)住宅」とも呼ばれます。

この2つの条件があるので、内容をよく理解して取引を進めないと、思わぬトラブルに巻き込まれることもあります。
トラブルにならないために、以下のことに留意しながら取引を進めましょう。

まず、建築条件付き土地では、建築会社は指定されているので変更できず、他社が入り込む余地もないので、相見積も入手できません。また、決められた期限は、住宅の仕様を決めるには必ずしも十分ではないことも多いです。

その会社のラインナップから商品シリーズを選び、間取り・内外装の仕様・設備の機種やグレード・オプションに至るまで、
カタログやサンプルを見ながら全て決めなければなりません。ほとんどの方はこの作業を週末限定で進めることになります。
夫婦や親子で意見が食い違うと、決定が先延ばしになることもあるでしょう。
期限がせまっているからと言って慌てて建築請負契約を結んでしまうと、契約を解消する時には違約金が発生し、裁判沙汰になることもありえます。

建築条件付き土地には問題点は確かにありますが、以下のようなメリットがあることも事実です。

土地が相場に対して割安なことが多いこと、間取りや仕様はある程度融通が利くことが多く、建売住宅には勝ります。
また、土地を探す手間が省けますし、土地に合わせたモデルプランが準備されている場合、それに従うと工期が短縮できるというメリットもあります。

もしも、建てたい住宅に対するこだわりがそれほどでもなく、コストパフォーマンスや工期重視で、準備されたプランでも構わないという方には、メリットの方が多いかもしれません。

また、仮に3か月で住宅の仕様を決め切れずに建築請負契約に辿り着けなかった場合、土地の売買契約は白紙撤回されますが、手付金などは基本的に買主に全額返還されます。
実際の契約内容を注意して確認しておくことが大切です。

建築条件付き土地にはメリット・デメリットの両方があります。条件が希望に合うなら、得られるメリットも大きいと思われます。
以上のことを踏まえて、理想の家づくりの第一歩を踏み出してみてください。

 

住宅ローンを賢く使おう

家を購入する場合、ほとんどの人が住宅ローンを利用します。
しかし、借入金額や返済額にばかり気をとられてしまい、
意外にも仕組みをきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか?
住宅ローンについては自動的に担当者にお任せ、といったようでは
後々後悔することになるかもしれません。
住宅ローンは、多額の借金です。
借入である以上、借主としては仕組みとリスクを認識しておく必要があります。
注文住宅は何千万円もする買い物であるため、
銀行や信用金庫などの金融機関から家の代金を借りて購入することが普通です。
不動産会社から家を購入し、借入金の返済は金融機関にしていきます。
お金を借りたので、金利を付けて返済していく、これが住宅ローンの仕組みです。
借入の際は現実的に返済可能な金額を見極めることが大切になってきます。
自分で借入額をコントロールできるようにしておきましょう。
住宅ローン金利は、2017年6月時点で変動金利が0.6%程度、全期間固定であるフラット35でも1.5%前後です。
金利だけ見ると、そう大きな数字ではないように思えますが、借入額が大きく、
また返済期間が長期に渡るため、金利による総返済額の差は大きくなります。
 仮に3,000万円を35年で返済する場合、
金利が0.5%異なると総返済額にどれくらいの差が生まれるのでしょう。
●金利1%で、毎月の返済額が8.5 万円の場合、総返済額は3,557 万円
●金利0.5%で毎月の返済額が7.8 万円だと、総返済額は3,271 万円
以上のように、0.5%ほどの小さな金利差でも、総返済額でみると大きな違いが出てきます。
ですが、金利が低いのが必ずしもベストとはかぎりません。
住宅ローン金利は、借りる金融機関ごとに異なります。
とはいえ、一応の基準はあります。
長期金利であれば、10年新発国債の利回り、
変動金利であれば優良企業への貸し出し金利である短期プライムレートがベースになっています。
国債の金利推移はネットなどで調べることができます。
短期プライムレートも日本銀行のサイト上で推移が公表されています。
住宅購入を考えているなら、直近3年程度の金利動向は把握しておきたいところです。
それから、金利は住宅ローンの申込者ごとにも変わります。
例えば勤め先が大手企業で年収も高いという人ならば、返済の確実性が高いと判断されるため、
低い金利で借り入れできる可能性が高いのです。
逆に、自営業でいつ倒産するかわからないような人の場合、金利が高くなる可能性があります。
金利は社会的信用に反比例するものだと覚えておくといいでしょう。
変動金利について見てみましょう。
単純に金利の低さだけに着目するのならば変動金利が一番だと思われますが、
変動金利の金利が低い理由は、その時の経済状況に合わせて金利が変わるからです。
世間の金利が上昇すれば住宅ローンの金利も上げることが可能なため、
変動金利は多少低い金利設定ができるというわけなのです。
金利変動のリスクを借りる側が負う、と考えてください。その代わり、金利が低いという利点があるということです。
その考え方からいうと、金利変動のリスクを負えない借主は変動金利が向かないということになります。
変動金利を選ぶ場合は、金利上昇に耐えきれるだけの家計の余裕があるか検討してみましょう。
次に、固定金利を見てみます。
固定金利の最大の利点は、返済リスクを最小限に抑えたところにあります。
固定金利は変動金利に比べて金利が高く、将来低くなる見込みもありません。
一見、得なのかという疑問が生まれますが、何十年という住宅ローンの返済期間を考えると、
金利が変わらないのは非常に大きな安心なのです。
総返済額、毎月の返済額が変わらないので、予期せぬ金利上昇で返済計画が狂うこともありません。
かつては住宅ローン金利が上がり続ける時代がありました。
今後も、そのようなことがないとは言い切れないため、固定金利の「安心」というメリットは大きいです。
それから、変動金利と全期間固定金利の中間のような金利が「○年間固定金利」です。
一般的には2年~10年程度の期間の金利が固定化され、
それ以後は再度固定金利を選んだり、変動金利へ変更したりすることが可能です。
これから先の金利がどうなるか読めないときには、心強い金利選択だといえるでしょう。
また、この金利だと数年~10年程度の金利選択をすることになるので、決断しやすいです。
基本的なことをお伝えしましたが、世間では自動的に
家を購入=住宅ローンを組む、という図式が常識になっていて、
ローンを組むことの怖さや注意点を見過ごしてしまうケースもあるようです。
借り入れ時は共働きが前提だったけれど、子育てのために退職を選ぶ人も存在します。
子育てしながら両親が働くには職場の理解、夫婦の協力、保育所や病後保育の確保など、
多くの環境をと整える必要が出てきます。
夫婦どちらか一方の努力だけではままならないため、実現できるかは未知数なのです。
それから、近年社会問題となっている介護離職といった心配もありますよね。
長い返済期間、途中で何が起こるかわからないため、現在の世帯収入を基準に考えず、
もし将来○○が起こったら……という視点を忘れないようにしましょう。
ですが、こういった将来起こりうる収入の誤算に関しては、実は対策もあります。
それは早めに金融機関に相談することです。
自分勝手な退職ではなく、事情があることを相談してみることです。
現実的に返済できる額が少なくなり毎月返済額は減るが、返済は継続して行うことなどをしっかり説明すれば、
毎月返額の減額に応じてもらえる可能性があります。
マイホーム購入というと夢心地になりがちですが、
現実との折り合いをつけ、住宅ローンを上手に利用していきましょう。

ずっと安心して住める家を

家を少しでも安く建てたい!と思っておられる方は多いと思います。

では、注文住宅は値引きはできるのか?
値引きできる相場は一体どれくらいなのか?
そういった気になるポイントについて、今日はお話していきます。

注文住宅の価格はだいたい数千万円ですから、
少しでも値引きできれば家計も助かりますよね。

そもそも値引きという概念は、建売住宅のように、建物が完成しているものに使用されます。
注文住宅では、プランも価格も確定していないため、値引きではなく、
計画変更による価格調整をすることが妥当です。

建売住宅は値引き交渉が可能ですが、これは家がすでに出来上がっているため、
価格だけで交渉できるからです。
もし、200万円の値引きをしたとしても、家の品質が変わることはもちろんありません。

なぜ値引きしやすいのかというと、建売が売れるまで期間は、建築費用や土地代、
広告費、人件費、融資金利などの維持費用を業者側が負担しているからです。

売れるまでの期間が長引くと、赤字になる危険性があるため、
利益がでるうちに値引きをしてでも売りたいというのがメーカー側の本音です。
実は、原価を割って販売することも珍しくはないのです。

ですが、注文住宅は値引きをしてしまうと、家の品質が下がってしまう危険があります。

なぜならば、注文住宅でまず削られる費用は、材料費だからです。
少しでも安く建てるために、安い金物や材木が使われることがよくあるパターンです。

実際、見積もり上は同じ等級の建材でも、木屋で売れ残ったクセのつよい材木や、
製材したばかりで含水率の高い材木などが使われることがあるのです。
建築金物も同様です。図面上では同じ耐性であっても、規格がバラバラになることがあります。

実はこういった調整をしても、法律上は耐震基準としては問題ありません。
問題なのは、家を建てる職人さんの仕事が雑になることなのです。

では、値引き以外で家を安く建てるにはどうすれば良いのでしょうか?

これには、2つの方法があります。

まずは、相見積もりで安い会社を探すということ。

注文住宅のように数千万円の買い物をするとなると、ハウスメーカーにより大きな価格差がでます。

例え全く同じ材料を使って家を建てたとしても、仕入れコストや、人件費、宣伝費や上乗せ利益の差など、
さまざまな要因が積み重なって金額差は発生するのです。相場としては、1割程度の価格差がでると言われています。

次に、プランの調整でコストカットをすること。

プランの調整では、希望予算に合わせて提示されたプランの仕様を変更したり、
いらないと思われるオプションを削除していきます。

例を挙げると、玄関の敷き石の種類を変えることや、部屋のうち一部屋だけ塗り壁から板張りにする、
キッチンの壁タイルをキッチンパネルにすることなどです。

オプションの削除例としては、トイレのカウンターをなくすことや、不要な壁の埋め込み棚をなくす、
また、アプローチの装飾や植栽をなくすこと、などが挙げられます。

注文住宅の見積もり項目はとても多いのが普通です。ですから、この仕様を少しずつ調整していくだけでも、十万円単位でのコストカットが可能です。

価格調整で注意するポイントとしては、安くなった理由がはっきり打ち出されていることです。
ここはしっかりと確認しましょう。

家は、建てるまでよりも住んでからのほうが時間は当然長くなります。
目の前の安易な値引きに流されることなく、安心して住み続けられる家づくりをしていきましょう。

ハウスメーカーを選ぼう

ローコスト住宅を購入する時には、どのようにして安さを実現しているのか、
それを考えることが大事です。

健全なローコスト化を図っている住宅会社の特徴として挙げられるのは、

●無駄な経費をかけていないこと
●プランを統一していること
●製品を自社工場でつくっていること

が挙げられます。

例えば、大手のハウスメーカーだと、実は建築費用の約半分が経費になっていることもあります。
具体的には、宣伝広告費や、住宅展示場の維持費や人件費、これらが
買い手には見えない形で建築費用に上乗せされているのです。

また、ローコストでは間取りや家の形状をパターン化したり、設備を同じメーカーで統一したりなど同じ資材を大量生産することで、建築にかかるコストの削減につなげています。

ローコスト住宅を売り出しているメーカーで注意すべき点としては、
坪単価の安さを前面に出しているメーカーです。

実は、坪単価の計算方法には決まりはありません。
照明器具やシステムキッチンのグレードや床暖房の有無など、どこまでを含めて
計算しているのかは、住宅メーカーによって違います。
坪単価を安く見せて、高額なオプションを請求されては
たまったものではありませんよね。
これを避けるには、坪単価で判断するのではなく、実際の建築費用で考えることが
大事です。

また、いうまでもなく住宅において最も大事なことは安全性です。
具体的には、柱や梁などの骨組み、そして基礎や地盤改良といったことですが、
これらは見えない部分でもあります。

見えない部分ほどより多くの費用がかかるので、コストカットの対象になりがちな
部分でもあります。
見た目はとてもきれいであっても、中身をみてみれば欠陥だらけ、
ということもありうるわけです。
こうなると、建てた後にメンテナンス費用が大幅にかかったり、光熱費も多くかかることになります。

これを避けるためには、耐震性、耐久性、断熱性、これら三つは最低限
チェックすることが大切です。

そして当然、家づくりにおいては坪単価以外にも多くのお金が必要になってきます。
具体的には、本体以外の建築工事費、税金やローン、家の工事以外の費用(引っ越し費用、家具などの費用)です。

本体工事費の二、三割程度の費用が別にかかってくるのだと認識しておいてください。

トータルコストの安い家こそが、本当のローコスト住宅といえます。
また、高品質なローコスト住宅を建てたいと思うならば、ハウスメーカー選びも
とても大切になってきます。

以上をふまえながら、自分たちの理想のすまいを探すことをお薦めします。

 

 

 

家づくりにおける失敗ケースの例

実際に家を建てて、住んでみての実感はどのような感じなのでしょうか?

三回建てないと満足できる家は建てられない、という言葉がありますね。

ですが、現実には何度も家を建てられるような余裕を持っている人は
ほとんどの場合、いらっしゃらないのではないでしょうか。

家づくりにおいて、失敗を回避するためには、過去の失敗例を知っておくことも大事です。

ここでは、実際の声と、失敗を回避する方法を、ご紹介していきたいと思います。

●住宅展示場を見て気に入り、契約をしたが、後で金額を提示されて驚いた。
住宅展示場と同じような家を注文しようとすると、考えていた予算の2倍くらいの費用が必要だった。
その後、ハウスメーカーとやり取りを重ね、結局予算内で家を建てることになったのだが
完成したのは、契約時にイメージしていたものとは程遠い平凡な家になってしまった。

↓↓
★事前に考えられる対策

住宅展示場は、だいたいがフルオプションで作られています。
フルオプションとは、標準仕様で使われている住宅設備やインテリアよりも、ハイクラスのものをさします。
ですから、そこに惑わされることなく、そこからマイナスの計画を立てなければいけないということを頭に入れておきましょう。

展示場に設置してある家具、アートなどのインテリア雑貨も目を惑わされてしまう原因です。
住宅展示場に置いてある家具やベッド、食器、花などは、置いていないものと
仮定して、部屋を見渡してみてください。
シンプルに考えてみると、意外と平凡な間取りになるかと思います。
契約前に、現実的なイメージをもつために、
現場見学会では実物に接してみることをお薦めします。

●明るくて広々とした空間に憧れ、リビングを広々とした吹き抜けにした。
日中は明るく、日差しがとても気持ちよく、満足している。
イメージできなかった点は、夜になると想像以上に寒く、
寒い時期は、暖房を常につけていないと過ごせない日が多いこと。
冬以外の季節でも暖房をつける必要があるくらい、部屋が寒々としている。
また、音がよく響くため、一階にいると二階のテレビの音なども気になる。

↓↓
★事前に考えられる対策

吹き抜けの空間をつくるなら、家の気密性を高め、
昼間の暖かい空気や暖房の熱を外に逃がさないことが大切です。
リビングなどの広い空間を吹き抜けにするならば、
断熱方法を工夫する、もしくは高気密住宅を選択することをお薦めします。

また、音に関しては、壁内部に防音を兼ねた断熱材を入れるなどの工夫で
対策することができます。
ベストなのは、吹き抜けの施工経験が豊富な工務店を選ぶことです。

それには、断熱方法や暖房設備の効果的な配置、採光、空気の循環など、
様々な問題をクリアしなければならないため、
施工実績が少ない工務店は避けましょう。

●土地探しの仲介手数料0円をうたっている工務店で土地の購入をしたが、実際は工務店が一度土地を買い取り、利益を上乗せして請求をだしていた。
後で自分で土地の相場を調べて、驚いた。

↓↓
★事前に考えられる対策

住宅業界には、残念ながら詐欺まがいの会社もあります。
坪単価の表記詐欺などが代表的で、安く見えても、実際には高いというものです。
誠意のない会社だと、建てる家の質も低いので、
信頼できないと感じた時点で契約はやめておくべきです。
ですが、比較対象をもつことで、このようなトラブルは回避することが可能です。

以上のようなケースに至らないためにも、対策を知り事前にトラブルを
回避していきましょう。

現場見学会に参加する

この会社に家を建ててもらいたい!
そういった会社に出会えたら、そこから行動の幅を広げてみましょう。

出来たらその注文住宅会社の現場見学会に行ってみましょう。

現場見学会とは、実際にその会社が手がけている
工事中の現場を、直接見れる機会のことを指します。

住宅展示場に関しては、そのあたりでよく見かけるかと思いますが、
住宅展示場は見栄えを良くするために、通常よりグレードが上げられていたり、
家具や小物などで家の中の雰囲気が変えられています。

住宅展示場は、見学に来た人が、思わず住みたくなってしまうような仕掛けが
家中の至る所に見られます。

モデルハウスに憧れて現実をしっかりと吟味することなく家を購入し、
後悔をしている人はきっと多いことでしょう。

現場見学会に行くと、これから実際に住むであろう建築途中の家を見ることができます。
住宅展示場でみる、完成した家とは全く違う角度から家を見ることができ、
建物の本来の良さが確認できます。

完成見学会ではその名の通り、引き渡し直前の家を見ることが出来ます。
どちらかというと、気になるのはこちらではないでしょうか。
完成見学会で確認しておきたいのは、自分の持っているイメージと合っているかどうかということです。

カタログの平面の写真を見るのと、実物の家に入り、立体感を感じたり
においなど五感を総動員して感じとるのとでは、印象がまるで違います。

住宅会社によっては、既に引き渡し済の家を見せてもらえることもあります。
引き渡し済みの家を見学する利点は、家を建てた人から実際に住んだ感想を聞けること。

直接話を聞ける機会は貴重です。
なぜなら、住宅会社の工事中の対応やトラブルの有無、後悔した点を聞くこともできますし、
こだわりをもったポイント、この会社を選んでみての感想など、
ネットからの情報では得られない貴重な情報をこっそり聞くことができるからです。

ですが、住宅展示場を否定する訳ではありませんし、参考にする分には全く問題ありません。
ただ、契約前の最終的な判断材料として、自分の肌で感じることのできる、実際の家を見に行くことを是非おすすめします。

ちなみに、見学会の開催予定がない会社でも、頼めば工事中の現場を見せてくれるでしょう。
ここで、見学はできないと断られる場合は、信頼できない会社だと思ってください。

完成後の住宅だけに関わるのではなく、ぜひ建築の場から関わってみてください。

家を購入する前に自分たちの視野を広げておきましょう。