注文住宅で家を建てるならば、
まずは、土地を取得する必要があります。

つまり、先に土地の売買契約が必要となるのです。
建売やマンションを購入する場合は建物が完成しているため、
融資、住宅ローン契約、引き渡しまでを一挙に行うことが可能となりますが、
土地の売買契約の場合は、先に土地代を決済しなければなりません。
一般的に資金の必要とされる時期を挙げてみましょう。

●土地費用の手付金
●土地契約時の決済金
●住宅工事着手金(その他、建物中間金など)
●住宅完成・引き渡し 残金の決算

通常、住宅ローンが組めるのは、住宅完成・引き渡し時からです。
上に挙げたように、自己費用が必要なタイミングは複数回あり、
事前に必要になる費用は総額の3/4程度とも言われています。

住宅ローン締結前の資金は、預貯金などで用意するのが理想ですが、
実際は難しいことがほとんどでしょう。
その場合は「つなぎ融資」とよばれる先行融資を利用します。

自己資金がない場合には、その度に借入れを行うのは手間がかかり
ローンの返済計画も立てにくくなりますよね。

一般的なつなぎ融資は、契約後、必要なタイミングで3~4回
融資を受けることができます。

便利なつなぎ融資ですが、これは、いわゆる無担保ローンなので、
住宅ローンと比較して金利が高いのも特徴です。

また、借入れのための事務手数料や印紙代金は別途発生します。
事務手数料は金融機関ごとに異なりますが、相場としては10万程度となっているため、
割高であるのは否めません。

また、つなぎ融資を扱っていない金融機関もありますので、注意が必要です。

また、ありがちなパターンとしては、土地購入の際に自己資金を大幅に投入してしまったため
中間金や住宅ローンの諸費用が足りなくなる、というケースです。
こういったことを避けるためには、契約の前段階からどのタイミングで、どれほどのお金が必要になるのかを、
見込んでおきましょう。

予算の全体像を常に意識することが大切です。

素晴らしい家を建てたはよいが、ローンの返済が滞っては意味がありません。
このようなことに陥らないための考え方のポイントをご紹介しましょう。

●自己資金をいくら使い、いくら手元に残しておくか
子どもの学費や車の購入代金など、住宅購入後に必要な費用は最初から別にしておき、
手をつけないようにしておきます。

●借入れ上限はいくらなのか
毎月返済額と返済年数から、いくらまでなら借りられるのかを
把握しておく必要があります。

●つなぎ融資と住宅ローン借入れの比率を考える
上記のことを踏まえ、必要な額をどう支出するのか考えます。
つなぎ融資と住宅ローンの配分を決めるということになります。
全体のバランスを見ながら計画を立てていきましょう。

注文住宅の場合だと、土地を購入後、住宅の引き渡しまである程度の期間が見込まれるため、
当初の見込より金利が上昇するリスクもあります。
ですから、全体的に余裕を持った資金繰りが望ましいと思われます。

間取りや内装の自由度が高く、自分なりのマイホームを建てることができる注文住宅。
資金繰りには注意が必要ですが、間取りの設計や打ち合わせに集中できるよう、
早めの段階から資金繰り計画を立てておきましょう。