ローコスト住宅を購入するにあたり、
予算の範囲内でおさめる方法はいくつもありますが、
少し違った視点で考えてみることも面白いものです。

さて、最近の断熱材は性能が高いものも開発されており、
それによって私たちの住環境はとてつもなく快適なものになっています。

予算に余裕があるご家庭なら、もちろん断熱性能は高くしておくにこしたことはありません。

ですが、予算に限りがあるならば、予算を削って
また違った角度からローコストに近づくべく考察する必要があります。

ローコスト住宅のイメージは昔ながらの家。

断熱材を使わなくても、軒の深さや南北の風通しで
夏場でも涼しく、熱伝導率の低い天然木材の素地を使うことを検討するのも良いでしょう。

こういった天然木材は、冬場でも温かく感じられます。

暑さ寒さを断熱材で防ぐのではなく、
自然に近い設計をすることで住みやすくしていきます。

間取りについても考えてみます。

必要最低限の空間のみの間取りにしてしまうのも一つです。

たとえば、玄関を開けてすぐリビングという間取りはどうでしょう?

部屋と部屋の間には廊下があり、玄関を入ると当然廊下がある。

そういった考えを捨ててみることです。

そうすると建具ひとつ、壁ひとつ作らずに済みます。

子供部屋もいずれは必要なくなるものと割り切って、
寝室を家族全員が寝る部屋にしてしまうことで、
部屋数もぐんと減ります。

また、仕上材は使用しないという選択も
ローコストに仕上げる一つの方法です。

床も土間コンクリート、壁もベニヤ下地、天上は小屋裏素地。

ここまで削ると、本当に坪20万が実現できるレベルに近づきます。

こんなに色々削って大丈夫なのかと思われるかもしれません。

断熱材もない、仕上げも貼らない、土間はそのまま。

ですがこれ、昔ながらの家の造りなのです。

日本家屋の伝統的な工法を近代建材に変えただけのこと。

実際にこのような住宅に住んでみると、
夏場冬場の暑さ、寒さには苦労されるかとは思います。

でも、逆に日本の四季を感じることができ、自然に暮らせることの幸せや楽しみも同時に味わうこともできるのです。

快適な住宅だけが良い住宅とは限りません。

斬新な視点から住まいについて考察してみましょう。