究極のローコストともいえる住宅が
日本国内で販売開始となりました!
国内の動きとしては、セレンディクス株式会社(兵庫県西宮市)が手掛ける
3Dプリンターによって作られる球体住宅が22年度に販売され、
6棟が完売しています。
この3Dプリンター住宅は、新たな住宅の在り方ということで
いま、注目を集めています。
3Dプリンターとは、3D CADの設計データをもとに
3次元の造形物をプリントできる機械のことを指します。
3Dプリンターは今までのプリンターのように、紙などの平面に
インクで文字や図を印刷するものではなく、素材を層にして
縦・横・高さ3つのデータを出力して、オブジェクトを作成します。
現時点では、模型など小さなものをつくることが主ですが
一方家庭用3Dプリンターも普及しつつあります。
その技術が年々進化していき、ついに住宅の建築に成功したことで
注目を集めています。
その理由としては、こういった特徴が挙げられます。
現地で成型可能なため、物流費が抑えられること。
人手がかからず、機械作業で行うため、長時間継続して稼働できること。
製造現場の材料消費量や製造時間の短縮が実現できるため、
CO2排出量の削減が期待できること。
こういった利点があるため今後、住宅の建築において3Dプリンターを本格的に
実用化しようという動きが加速しています。
普及が現実化すると、今後不動産業界に大きな変化が起こる可能性もあります。
車を買う値段で住宅購入できることや、
30年の住宅ローンから解放されるといううたい文句も
大いに魅力的です。
一方で、日本住宅の基礎工事に未対応であることや、
原材料が建築基準法に対応していないこと、
そして木造ではないといったデメリットも挙げられます。
そしてこのコロナ禍の三年間、住宅業界にも変化がありました。
消費者の意識の変化もありましたし、企業側の生産性の向上も
ありました。
時間をかけるべきものと時間をかけなくていいものが
明確になったり、例えば対面で会議をするなど
同じ場所に皆が集まる重要性もなくなりましたよね。
少し前には考えられなかった新たなスタイルの住宅の出現など、
これからも住宅業界は、技術の改革によって
新たな側面をみせてくれることでしょう。
人々のライフスタイルやワークスタイルにおいても、
それらは昔と比べるとかなり変化してきています。
目先の効率性、生産性を求められる世の中。
それが、今回の3Dプリンター住宅施工の際にも
現れているのかもしれません。
3Dプリンター住宅の出現はひとつのきっかけ。
その制作プロセスを知り、実際にそこに自分が住んだならば、ということを
考えてみる。
そうすることで、例えば時間をかけるべきものと
かけなくてもよいものとをいま一度、考えてみるきっかけになるのでは?
と考えます。