今の住宅市場では、ハウスメーカーをはじめとして
おしゃれでモダンな外観の洋風住宅が幅を利かせています。

でも、それは本当に日本の気候にあった住宅なのでしょうか?

日本の気候や風土を考えると、
やはりその気候に適した空間づくりを目指すことが
住み心地の良さにもつながると思うのです。

そしてローコストにも結果的につながっていくのです。

では、日本の伝統住宅のよさとして挙げられるのは
どんなところなのでしょう?

それは、壁が少なく開放的であること。
風通しもよいこと。
自然素材で家をつくっていること。
床下にも薬剤を使っていない。
日よけと雨の対策がされていること。
庭など外の空間とのかかわりを大事にしていること。

などが挙げられるでしょう。

日本と欧米では気候も風土もまったく異なります。
日本のような雨による湿気はほとんど心配することは
ありません。

ですので、風通しについてはあまりよくありません。
また、開口部も少なく、外の空間ともあまりかかわりが
ありません。

また、欧米は空間を仕切る壁が多くみられる、石の文化です。

ですので、庭にも
石やレンガを敷き詰めたり、自然を人工的に
制御していたのです。

それに対して日本は、空間を細かく区切らずに大きな空間をうみだす
柱と梁の文化である、木の文化です。

高温多湿という気候風土であるので、湿気対策や
風通しをよくする必要があったのです。

庭についても、自然のもつ姿を人工的につくりだして
その景観を楽しんでいたのです。

こういったことをふまえながら
今の日本の住環境を考えてみると、
自分たちの家は住みやすい住宅になっているのでしょうか。

いま、和の住宅の良さを見直す時期が来ているのかもしれません。